通商国家・カルタゴ の興亡---- 19
2006年 06月 12日
敗れても敗れても立ち上がり、経済大国にのし上がるカルタゴ。
第二次ポエニー戦役後、カルタゴは表面的にはローマに忠実なふりを見せている。
賠償金も支払う他、ローマの要求に従順に従っていた。
しかし、油断はならない。
もともとローマ人にとって、カルタゴ人は理解できぬ性格の持ち主だった。
抜け目無く、狡猾で,嘘つき、金儲けになれば手段を選ばず、人生の愉しみを知らぬ働き蜂。
このような人種が金をもったら何をしでかすか判らない。
ローマはカルタゴを抹殺する機会をじっと待っていたが、ついにその機会が到来する。
カルタゴの隣国であるヌミディアの度重なる領土侵犯に業をにやして、ついにカルタゴは軍を動かして、ヌミディアの英雄・マッシニッサと対決したのである。
ローマは88歳で裸馬に乗って戦闘を指揮するという老獪・マッシニッサをそそのかして、カルタゴを挑発し、条約違反の責任を押し付けようとしたふしがある。
ローマがしかけた罠であったと思われる。
それがカルタゴ攻略の機会を狙っていたローマの元老院に絶好の機会を与えた。
たとえ自衛のためといえども、軍を動かすにはローマとの「事前協議」を必要としたのに、カルタゴはそれを無視した形となったからである。
ローマの許可なくしてヌミディアと交戦した。
それは明らかな条約違反であると責つけて、ローマはただちに強硬な抗議と要求をつきつけた。
経済大国カルタゴを永遠に地上から抹殺する事となる最後の戦い、第三次ポエニー戦争の勃発である。
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