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天才!信長から歴史の散歩道へ


by tyuzuki715
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ナポレオン-6

        ナポレオンと古参の将軍たち

 鷲は気が強く、飛翔が素早く、決断が突然で、行動が冷酷である。
鷲は何よりもナポレオンのシンボルに相応しかった。ナポレオンのイタリアへの出陣とその戦い振りは、彼が文字通り、これらの特徴を全て備えていたことを示した。

 1796年3月27日、小柄な砲兵隊の27歳の将軍がイタリア方面軍司令官としてニースに到着した時、彼を迎えた4人の古参の将軍達、シェール(ナポレオンの前任者)・セリュリエ・オジュロー・それにマッセナは、新任の司令官をみくびっていた。

 ナポレオンがその地位を手に入れたのは、政治的な策略と妻・ジョゼフイーヌの影響力のお陰だろうと考えていたのである。

 しかし、彼等はまもなくナポレオンの類稀なる天才を目の当たりにして、その考えを改めなければならなかった。

 フランスがオーストリアとイタリアの敵を相手に三年間、一進一退の攻防を続けていたときに、ナポレオンが突然現れ、素早い行動と兵力の集中というその旋風のような戦術によって、戦争の概念を根底から覆そうとしていた事を考えれば、それが非凡な才能の現れであったことを認めないわけにはいかないだろう。

 それはまさに天才的な才能であった為に、ナポレオンを最初は「司令官に祭り上げられた間抜けな小僧」と見なして、彼の能力に疑問を抱いていた古参の将軍オジュローとマッセナもすぐに感心してしまった。

 マッセナは厳格で、頑固で、寡黙で、鷲のような風貌だったが、戦場では火のような行動力と決断力を発揮した。彼が強い執着を示したのは、金と女である。
オジュローは、「おどけ者で粗野でお人よし」だったが、優秀な師団長で、彼の部隊は常に時間を守り、欠員も無く面倒見のいいオジローを慕っていた。

 この二人の古参軍人がナポレオンの天才的な才能、つまり、その鋼鉄のような意志、高い理想、優れた戦術、彼を駆り立てる野望、それに厳しい自制心を認めたのである。

 「あのチビの前に出ると気後れがする。なぜだろう」とオジュローはマッセナに語っている。
ナポレオンは超人的な活動のできる鉄のような頑丈な体をもっていた。そのような活動を数週間、眠らずに続けることが出来たのである。
by kenji1942 | 2007-06-16 11:20 | ナポレオン