比類なき大帝国 ローマの興亡-1
2007年 10月 23日
知力ではギリシャ人に劣り、
体力ではケルト(ガリア)や、ゲルマンの人々に劣り、
技術力では、エトルリア人に劣り、
経済力では、カルタゴ人に劣るのが、
自分たちローマ人であると、ローマ人自らが認めていた。
であるのにも拘らず、ローマ人は大帝国を築き、一大文明圏を1000年の長期にわたって維持したのである。
政治大国・経済大国・軍事大国・そして巨大な多民族国家で、史上初の超大国。
なぜローマ人だけが、これほどの大をなすことが出来たのであろうか。
叉、江戸幕府も中国の覇者・明帝国も300年前後で衰亡しているが、大ローマ帝国も歴史の例外にはなりえず1000年で衰亡している。
このことは、覇者の陥りがちな驕りによってであろうか。
さまざまな人種・言語・宗教が混在した巨大なローマ帝国を束ねることができた鍵は、これまでは、ひとえに強大な軍事力にあったとされてきた。
はたして軍事力だけで、広大な土地と民族を支配できたのであろうか。
★★★
ローマ帝国の起源は、紀元前8世紀中ごろにイタリア半島を南下したラテン人の一派がテヴェレ川のほとりに形成した都市国家ローマである(王政ローマ)。
当初はエトルリア人の王を擁いていたローマはこの異民族の王を追放して王政を経た後に、貴族による共和政を布いており、2名のコンスルを指導者とする元老院が大きな力を持っていた(共和政ローマ)。